上場の道のりとIFRSの適用
最近書店に行くと良くIFRS関連の書籍を見かける。どうやら今年からIFRSの適用が本格化し、それに関する書籍も売れていると事だ。
ちなみにIFRSとは国際会計基準委員会が作成・設定した国際財務報告基準のことで、今まで各国独自の基準で処理されていた会計報告基準を1つに統合した物である。
そもそもなぜIFRSが作成されたかというと、国際化が進む中、各企業は国毎に異なる財務報告書を作成するよりも、1つに統一する事により国際的企業間の比較を可能とし、今後更に進であろうグローバル化に対応する為である。すでにEUの上場企業はIFRSに適応しており、日本でも2015年又は2016年から上場企業に強制適用が行われる見通しだ。
一見するとデメリットがないように思えるが、今までの財務報告基準と大きく異なる為、日本企業にとってはJ-SOX法適用以上の混乱が予想されると言われている。そもそも今までの日本の会計報告基準はアメリカ型の条文主義を元に行われていたが、IFRSはイギリスの原理原則主義を基礎としているため、多くの基準項目が異なったり禁止される場合がある。こうなると後数年の内に日本の上場企業はIFSRに対応するため新たに人材確保や部署やシステムの設置が必要になり、上場維持にかかるコストが増えることになる。
すでにIFRS以前に適応となった内部統制(J-SOX)による上場コスト増大は大きな影響をもたらした。アメリカのエンロン事件が引き金となり株主や利害関係者の権利を守るためにSOX法がアメリカで執行され、後に日本でもライブドア事件などにより日本版SOX法の制定・執行となった。それまで各会社毎に任されていた統制業務を厳しく厳格化し、報告義務を課した。内部統制と一言に言っても様々な要素から構成され、全項目を正しく統制するには多大なる人力と金がかかる。例えば企業による情報管理も厳格化された一項目だ。アクセス権限をユーザー毎に管理するツールやシンククライアント導入など初期投資は計り知れない。又、上場企業と取引をしている企業にもプライバシーマーク取得の強制や18号監査の適用などJ-SOX法の影響は決して上場企業だけではない。これが企業の基盤とも成る財務報告書の基準改定になるとSOX適用以上の負担が予想される。
こうなるとこれから上場を目指している企業にとっては道のりが更に厳しくなったとも言える。新興市場での上場はともかく、内部統制やIFRSにかかるコストを差し引いてもある程度の利益を出せる企業のみが上場し、尚かつ上場維持が出来るため、スピードや将来的価値以上に体力を持った企業しか今後株式公開を実現出来ないのかもしれない。
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