2009 年 9 月 のアーカイブ

ESに関して個人的な意見を

2009 年 9 月 12 日 土曜日

アタックス・ソリューション・パートナーズの社長でもある高橋氏のブログで顧客第一っていうと、そんなに時代遅れ?というエントリーを見つけ、共感する部分が多かったので、私も少しESに関して書いてみたいと思う。

1990年代後半から米国型経営の導入に伴って、株主利益、短期的収益重視の経営が行われ来たが、2005年ほどから再度従業員の満足度向上に注目する動きがあった。それまで成果主義の積極的導入により社員は常に成果(結果)のみで評価され、企業内では“勝てれば何をしても良い”とモラルハザードに陥るところもちらほら。離職率も年々高くなり、社員の定着が見られない企業が増えてきた。そこに危機感を感じた企業・経営者が日本的企業経営の基本に戻り、社員重視の経営を考え始めたのかもしれない。

しかし、あまりにもES重視に深くこだわりすぎて、会社としての収益は上がっていないにもかかわらず従業員の幸せのみを考える経営者もいるのが現実だ。

事実、従業員の満足度を高めたい経営者は多いが、ほぼ全てに共通して言えることは、これら経営者は決して従業員から好かれたい為にみんなの顔色を気にして少しでも会社・仕事を好きになって貰おうとしているのではない。やはり社員の潜在能力を引き出しやすい環境を整備する事によって、社員のモチベーションを最大限に利活用し、会社の業績を上げて行く為ではないかと思う。

ES向上による影響を大きくまとめると以下のようになる:

従業員満足度の向上 → やる気、モチベーションの向上 → 1人あたりの生産性向上 → 収益の増大

以上の流れを見ても分かる様に、ES向上によって得られるであろう結果は収益の増大、つまり企業業績の回復・向上にあるのだ。
しかし、ここの真の目的を定めずに単に社員満足を向上させるだけでは、ES向上が企業にとって本当の意味をなさない物になってしまう。正に本末転倒だ。

又、「従業員の満足度向上」と言うと「給料を上げれば良い」という単純な事を言う人がいる。無論、給与もESに対して大きな影響力を持つが、私は給与を上げたところでES向上による効果を得られないと思う。なぜかというと、給与はあくまでも短期的なESアップにしか効かない為である。そもそもES向上は言い換えればモチベーションの向上を意味する物であり、社員個々によって大きく異なるモチベーションを給与アップなど外部要因によって一定の高さまで持続的に上げる事などそもそも出来ないと考える。やはり仕事に対して従業員自らがやる気を感じ、保ち、そして励むには“セルフモチベーション”が非常に重要であり、単に給与を上げればよいと言う単純な物ではない。

と言ってみるテスト。

中国の経済成長と消費から見える国民の生活

2009 年 9 月 2 日 水曜日

BRICsの一カ国でもある中国はサブプライムローンの影響も抜けだし、回復へとシフトし始めた。

元々世界の工場として活躍してきた中国であったが、今ではGDPの伸び率も高く、先進国を抜く勢いである。又、外貨準備高もずば抜けており、アメリカ国債の保有数も世界一だ。あのアメリカでさえ今や中国を無視できない若しくは以前のように対抗できないまでに陥ってしまったのである。

人口の数も勝りながら、技術や教育の進歩もめざましい。事実、多数の外資系企業は中国北京大学や理系の最高峰でもある清華大学などと共同で様々な最新技術を開発している。その為研究費も豊富で新たな人材育成も実現できている。

以上のように中国は20年前とは大きく変わり、着々と先進国への階段を上りつつある。

しかし、ここで一つ気になることがある。
それはGDPに対する国内消費の低さである。

通常、国が高度成長期に入ると国民一人あたりの所得も増え、消費も増えるのが一般的である。しかし、中国の国内総生産に対する消費が非常に低い。

マッキンゼー国際研究所のデータによるとアメリカの場合対GDPの国内消費率は7割、日本は5割である。しかしあれだけ海外に商品を輸出し外貨を得ている中国が対GDPの国内消費率は3割にしか満たないという。

理由は様々だが、マッキンゼーとのインタビューの際、中国の大学教授はセーフティネットの不整備が人々の将来に対する不安を煽り、結果お金を貯金に回してしまうのだという。

私はこのインタビュー動画を見た際、NHKの番組「激流中国」にて中国の医療問題を伝える放送を思い出した。
そこには目に病気を持ってしまった息子を持つ夫婦の姿があった。夫婦共働きで稼いだお金を持ち、長時間の長旅の末北京の病院に着く。しかし診察を受けただけで手持ちのお金が殆ど消えてしまい、最悪なことに目の病気は進行し治療を受けないと失明してしまうと宣告される。母親は息子を失明から守るため親戚、知人を回り治療費を集めようと努力する。しかし、既に借金をしており中々集まらないが、後に訪ねた母親の母(患者の祖母にあたる)が手持ちのお金を全て渡した。再度長時間の旅をえてたどり着き目の治療をする息子と母親。しかし一方で優先的に治療を受ける高所得者の子供達・・・。もともと中国では社会主義国家の為、医療などは国が負担していた。しかし大胆な改革後、実質的に医療費は患者が負担することになった。

この放送を見た際、私はこれほどまでに中国の所得格差は拡大し、急激な経済成長に乗り遅れてしまった人々が生活基盤までもが改革によって危うくなり、将来の災難にも備える為、殆どの収入を貯金に回すのは自然な流れだと感じた。
しかし、国民の不安を和らげ国民の消費が伸びない限り、生活水準の向上は望めず、G8など豊かな国を目指すにはまだまだ時間が掛かりそうだ。

現在、中国政府は先進国を目指して様々な政策を行っているが、物理的に広大な土地の上に存在する中国では、中央政府が地方を隅々まで徹底管理するのは難しいのかもしれない。又、今まで閉鎖的だったため市場開放と共に押し寄せた劇的変化に法律やセーフティネットなどの整備が追いついていないのが現状である。又、ウィグル自治区問題や自由市場導入による貧富の差の増大など中国には一先進国として成るまでには様々な問題があり、今後どのように中央政府を始め関係省庁が対処、解決していくか注目が集まるところである。

<参考>

If you’ve got it, spend it: Unleashing the Chinese consumer:
http://www.mckinsey.com/mgi/publications/unleashing_chinese_consumer/index.asp

China’s consumption challenge:
http://www.mckinseyquarterly.com/Chinas_consumption_challenge_2427

激流中国 病人大行列 〜13億人の医療〜:
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080615.html